介護職員を対象とした虐待・権利擁護の体験型研修を行っております。
身体的な暴力等「目に見える虐待」は誰が見てもあってはならないと判断できますが、
些細な声の掛け方や行動による「不適切となってしまう介助」は、自身でも気づきにくい面があるのではないかと考え、虐待防止委員会が中心となり今回の研修実施に至りました。
研修の概要は担当者が職員役、受ける職員がご利用者役とチェック役に分かれたロールプレイング形式で、演習の中に不適切な介助のポイントを数か所折り込み行いました。
演習終了後にどこが不適切であったかを考察してもらい、
今度はご利用者役を演じた職員に「適切な介助」を実演してもらいました。
(写真は介護者役がご利用者役を無理に横に向けて窒息しかけている様子です)
演習内容はキャリア別でも変化があり、ベテラン職員になればなるほど不適切なポイントの難易度を上げました。
体験のシチュエーションはさまざまで、その日の研修担当がランダムで決める為、受ける職員は
(どんなのが来るんだろ…)
とドキドキしていたことでしょう。笑
しかしさすが介護のプロ。
細かな不適切ポイントに対しても
「この場面はもっとこういう声掛けの方がいいんじゃないかな?自分ならこうする。」
「あ、ここ気づかないと事故に繋がるよね。」
と、見事に当てておりました。
研修終了後に感想を伺うと、
「強い口調で言われると冷たく感じたりした。自分も言葉遣いは気を付けようと思った。」
「時間に余裕がなかったりすると相手の気持ちを汲んだりする前に自分のペースを作りがちになっちゃうかも。」
「慣れ親しみからご利用者への対応が友達感覚になっていた。」
と、日々の業務の振り返りとなってよかったという意見を多く聞くことができました。
不適切な介助から見直していくことで、虐待の芽を摘むことが大切です。
今後も定期的に研修を行うことで、気づきの機会を設けていきたいと思います。